脳神経を活性化する指圧
週に1回 デイサービスの施設で指圧治療を行っています。
浪越徳治郎先生の直弟子である 故 鈴木林三先生の 「行ってみれば」の一言で始まり、すでに5年となりました。個別に指圧治療を行っていたのですが、今年から利用者全員(8名から10名のグループ))に自己指圧を指導するようになりました。自己指圧とは、自分で自分の体を指圧すること。日本指圧専門学校では、最初の実技の授業では、自己指圧で全身の指圧方法を学びます。デイサービスでは、全身指圧のうち、頭部 顔面 指を取り上げて自己指圧の方法をお伝えしています。それは、脳神経を活性化させたいという思いからです。頭部、顔面、指は、脳の大脳皮質運動野の神経細胞に大きく関与します。指圧することにより、筋肉 さらには心の柔軟性を高め、動きやすくなることにより脳神経への刺激増強をめざしています。指圧後、表情が豊かになり、心も軽やかになっているように感じます。認知症の方も数人いらっしゃいます。心地よさから、自己指圧をしてくれるようになってきました。とてもうれしいことです。認知症を発症された方は、表情が乏しいように思います。でも、それは現役世代にも言えるかもしれません。皆様は、毎日の生活の中で、顔の筋肉を意識して動かしていらっしゃるでしょうか?舌を歯茎をなめるように回す。目の筋肉を意識して目を回してみる。眉毛を上下に動かしてみる。鼻の穴をぴくぴくさせてみる。顔を伸ばしたり縮めたりしてみる。意外と動かないのです。指圧は効果的ですよ。動かすことによって、脳神経が活性されるはずです。体の細胞が必ず反応してくれます。
以下は、私が尊敬する跡見順子先生の『「細胞力」を高める』 からの抜粋です。
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自分の脳に自分の体をわかってもらう
―「触れる」「触れられた」「収縮する」「収縮して硬くなった」の関係
体性感覚野(触覚とペンフィールドさん)
「触って分かる」ということですが、実は脳には私たち人間の形と同じ「こびと」がいます。その小人はちょっとグロテスクですが、顔と手が異常に大きく、とくに唇や指が大きいのです。その大きさが、脳の大脳皮質における顔や手で分かり、運動する神経細胞の数に相応しています。これを研究したのがカナダの脳神経外科医のペンフィールドでこの「こびと」は「ペンフィールドのこびと(ホムンクルス)と呼ばれています。手を動かすときには、運動野の神経細胞が興奮して、手を動かすのに必要な筋肉を収縮させ、手で触って分かるのは、感覚野の体性神経細胞が手から伝わってきた電気信号を受けて、興奮する細胞たちがいるからなのです。「やってみて感じて理解する」しくみがここにあります。
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